ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「アイツには気をつけろよ?」

「どういうこと?」


なんにもわかってなくて純真無垢なモモ。

こてん、と首を傾げられれば、理性なんてあっという間に崩れそうになる。

「んんっ」と理性を落ち着かせるように、ふーと息を吐いて。


「アイツ、モモのこと狙ってると思う」


思う、じゃなくてアリよりのアリだろ。


「え? 狙ってるって……、ままま、まさか」


ないないって手を振るモモだけど、同じ男としてわかるんだよ。

今までは、俺が圧をかけてたからモモに言い寄る男はいなかった。

けど、高校に入ったらそんなの通用しないし、俺だって別のクラスだし。

こうなることは、わかってなかったわけじゃないけど。

よりによってあんなチャラ男に狙われるなんて。

どんだけ隙があんだよ……。
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