ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

信じられないって目で問いかけてくるカナちゃん。

私は今まで何十回と聞かれて、何十回と答えた同じ言葉を口にする。


「いないよ」

「えーっ、あの顔面なら彼女作り放題だろうに」


柚ちゃんのそんな言葉に、チクッと痛む胸。

女の子が好きで、彼女をとっ変えひっかえしてた方がよかったのかな。

そしたら、私にも望みがあるから……。

でも、そんなタラシみたいな人は嫌だし!

そう思って、納得する。


「今日はみんな、お弁当持ってこなかったよね」


美雪ちゃんの問いかけに、私たち3人はにっこりうなずく。

いつもは教室でお弁当を囲んでいるけど、今日は食堂に行ってみようってことになったの。

食堂も新校舎にあって、すごくきれいなんだって!

今日は朝から楽しみだったんだ。
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