ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
ほんとは伊緒くんのことを考えてたなんて言えない。
「わっ、卵とろとろじゃん、おいしそう。私も今度それ頼もう」
「美雪ちゃんのパスタも色合いがきれいでおいしそう」
春野菜のオイルパスタって書いてあって、私もそれにしようか迷ったけど、今日は大好物のオムライスから食べることにしたの。
カナちゃんと柚ちゃんは、日替わりのひとつ、カツカレーを頼んでいた。
どれもクオリティーが学食レベルじゃなくて、こんな安価で食べられることに感動しちゃう。
横並びだからみんなでワイワイは難しいけど、そろって「いただきます」をした。
「ん~、おいしい~」
想像通り。ふわふわで優しい味が口の中いっぱいに広がる。
幸せだなあ。
おいしくて、次から次へとパクパク口へ運んでいたんだけど。
ふと視線を感じで顔をあげると──目の前で、真柴くんが頬杖を突きながらニコニコと私を見ていた。