ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
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今日の夕飯は、麻婆豆腐だった。
青椒肉絲をリクエストしたんだけど、なぜか却下されちゃったんだ。
伊緒くんには作れないものはなくて、いつもリクエストすれば必ず作ってくれるんだけど。
「だから希望通り中華にしただろ」
「うん、ありがとう!」
作ってくれるだけでありがたいから、本当はなんでもいいんだけどね。
でも、献立を考えるのが大変っていうのはよくわかるから、なるべく何か言うようにしている。
お母さんも、「献立を考えるは大変なのよ~」っていつも言ってたし。
「うわっ……すごい。これ、高級中華料理店の味だよ!」
山椒の香りがほのかにして、あとからピリリとやってくる辛さが絶妙。
まさに本格中華って感じ!
「高級中華食ったことあるの?」
うぅっ。