ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「お茶碗、水につけておかないと──」

「そんなのいいから。昼のこと、忘れたの?」


整いすぎた顔が目の前に迫って、思わず息を止める。

昼……って。

もしかして、"お仕置き?

帰ってから何も言われなかったから、忘れてるかと思ったのに。


「……ていうか、伊緒くんもなに? いきなり会話に入ってきて、でたらめ言って」


びっくりしちゃったよ。

あのあと、全部訂正したけど。


「ふんっ、男の前であんな笑顔見せるモモが悪い」

「あんな笑顔……?」

「”モモちゃんて美味しそうに食べるなーと思って”」


声のトーンを上げて、いきなりキャラ変する伊緒くん。


……それ、学食での真柴くんだ。
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