ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「どういう意味?」
「高校生にもなって、いまだ恋愛のひとつもしてないじゃん」
ニヤリと上がる口角。
私はカーッと全身が熱くなる。
「そっ、それはっ……! いいいいい伊緒くんだって同じじゃん!」
カミカミになりながら、伊緒くんを指さす。
「俺? 俺は好きな人いるし」
──!?
頭の上に、おっきな隕石が落っこちていたような衝撃を受けた。
隕石が落っこちてきたことはないから、わかんないけど多分そんな感じ。
頭が真っ白になって、一瞬何もかも考えられなくなる。
そんなハッキリ言われたら……。
頭の上に、宇野くんの顔が浮かぶ。
伊緒くんも今、宇野くんを思い浮かべてるの?
「なんだよ」
私の反応が、面白くなさそうな伊緒くん。
もっと食いつくてるのと思ったのかな?
だけど、私は知ってたもんね。