ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「どこ?」
手を止めて教科書をのぞき込んでくる伊緒くんに、私はここぞとばかりにたずねる。
「えっとね、教科書の16ページなんだけど」
こんなとこもわかんないの? って呆れられちゃうかなあと思いながら。
ちょうど伊緒くんも数学をやっていたから、教科書を覗き込んだんだけど。
「え?」
なんだか見たことのない関数のグラフが載っていた。
「それ、数学?」
「うん」
「私のと違くない?」
「同じなわけないでしょ」
「へっ!?」
当然のように言う伊緒くんに、私唖然。
「ど、どういうこと?」
「特進クラスと普通クラスの内容が同じなわけないよね」
うそっ。
そうだったの……?
目をまん丸にして伊緒くんを見ちゃう。
そうか……私と伊緒くん、そもそも習ってることすら違うんだ……。