ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「いい点とって、来年伊緒くんと同じクラスになれるように頑張るね!」

「俺が赤点とって、普通クラスに降格した方が早いだろうな」

「もー、またそういうこと言うー。とにかく私は頑張るの!」

「はいはい、せいぜい頑張って。期待しないで待ってるよ」

「少しは期待してよ!」


自信はないけど。

少しでも伊緒くんに近づきたいんだ。


それからまた、お互いの勉強に集中……していたんだけど。

集中力が途切れちゃって、息抜きに黙々とシャーペンを走らせる伊緒くんを正面から眺める。

好きな人のそばに居られるって、幸せ。


かっこいいなあ。

もちろん、好きになったのは顔がかっこいいからじゃないし、私にとって伊緒くんがイケメンなのはオマケみたいなもの。

いつだって私のヒーローで、それは昔も今も変わらない。
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