ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

モモの手料理


「はあー? 全然わかんね」


俺の前で頭を抱える瑛人。

テストが終わり、答案用紙を返却されて。

瑛人の間違った問題の解説をしている最中なのだが、


「なんでだよ。これで分かんなかったらこっちだってお手上げだ」


全然理解しようとしない瑛人に呆れ、教科書を放り投げると、


「もっと優しく教えろよ。お前、絶対に教師向いてない」

「向いてるって言われたけど?」

「はあっ? 誰にだよっ、そいつ絶対おかしい──んぐっ」


ふざけたこと言う瑛人の口の両端に指を突っ込んで黙らせた。


「ひへっ、ははせっ!(いてっ、はなせっ!」


瑛人はタコみたいに唇を尖らせたまま机をバンバンたたく。


「ははは、やめてやれよ」


それを見て穏やかに笑っている亮介。
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