ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

痛がってればいいよ。

モモのこと、侮辱したんだから。

ようやく手を離すと、わかった!って顔でまくしたてた。


「あの充電ちゃんだろ! はーん、お前、あの子にだけは優しくしてんだなっ」


再び攻撃されないようにか、俺から少し距離をとって。


なんとでも言えよ。

実際そうだから否定できねえし。

モモにはもちろんわかりやすく優しく教えてやってるよ。


と、そこへ。


「ねえ、葉山くんはどっちがいいと思う~?」


甘たっるい声で呼ばれ、ぞわぞわと鳥肌が立つ。

すぐそばには、ぐりんぐりんに髪を巻いた女子がいた。

休み時間になるたびに、俺らのところにやってきては意味もない話を振ってくる集団がいるんだよな。


「夏の浴衣を予約しようと思うんだけど、葉山くんはどういうのが好み? 可愛い系?おとなっぽい系?」
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