ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「すげえなお前の人気」


すれ違うたびにきゃっきゃ言う女子を目で追って、俺の肩を揺さぶってくる。


「……べつに」

「興味なさそうなとこがまたカッコいい」

「お前に言われてもうれしくねえわ」

「誰に言われたら嬉しいわけ? え? え?」


うるせえ男だな。

瑛人は無視しながらドリンクを飲み続ける。

───と。


「あ、アレ充電ちゃんじゃね?」


瑛人が呼ぶ充電ちゃん、とはモモのことだ。

そんな呼び方を認めたわけじゃないけど、自然と俺の目はモモを探す。

俺の特技は、どんな人波の中でも、モモを見つけられることだ。

モモを見つけるときだけは視力が2.0になるんじゃないかって速さでモモを見つけることができる。
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