ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「はいっ、書けたよ。今日も平和な一日でした。これでいいでしょ」
「ふふっ、小学生の日記みたい」
「言うよなー。けど平和が一番なんだよ」
パタンと日誌を閉じて立ち上がった真柴くんに続いて、私も席を立つ。
ようやく終わった。
でもこの雨じゃなあ……止むまで待ってよう。
「すごい雨だよなー」
真柴くんは、うしろの棚にかけてあった黒い傘を手にとった。
「それ、真柴くんのなの?」
「そうだよ。ずっと置きっぱにしてあったのが役に立つとは」
得意げに手に取った真柴くんは、あれ?って顔でたずねてくる。
「もしかして、モモちゃん傘ないの?」
「うん。折りたたみ傘持ってくるの忘れちゃって」
「えー、この雨で傘ないのきついじゃん。じゃあ、一緒に帰ろうよ」