ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

当然のように誘われ、戸惑う。

一緒って。家が学校の近所の小学生とは違って、帰る方向はぜんぜん違うよね?


「いいよっ。私雨やむまで待ってるから、真柴くんは気にせずに先に帰って」

「しばらく雨雲遠のかないみたいだよ?」


見せてきたのは雨雲予想のアプリ画面。

私もアプリを入れているけどすごく正確なのは知ってる。見ると、これからが本番みたい。

早く帰らないと、それこそ帰りそびれそうだ。


「ね、だから家まで送ってく。徒歩通学って言ってたよね」

「だけどそんなの悪いよ!」


顔の前で手を振って遠慮すると、


「えー、だったら傘はモモちゃんに渡して、俺は濡れて帰る。はい、傘どうぞ」

「そんなのもっとダメだって!」

「だったら素直に送られてよ」

「……」

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