ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「伊緒くん……!?」
いつの間に戻ってきてくれたの?
「撮るよ」と言ったと同時に、カシャとシャッターが切れた。
慌てて顔を作った私。
画面の中には、ふんわりした桜と、頬を寄せ合う伊緒くんと私がいい感じにおさまっていた。
まるで、雑誌の一コマみたい。
「わあっ、ありがとう!」
そう! こういうのが撮りたかったの!
写真を撮る才能まであるなんて、ほんと隙がない。
「伊緒くん天才!」
「大げさだな、写真くらいで」
ふふっと笑うと、「遅れるぞー」ってまた長い足を進める。
なんだかんだ言いながら、結局撮ってくれる伊緒くん。
口は悪くても根が優しいのは変わらない。
伊緒くんて、やることがいちいちスマートというか無駄がないっていうか。
カッコつけようと思ってやってなくてもカッコよくなっちゃうところがもうカッコいい。