ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

あ……。

女子が来たってことは、モモがいるんじゃねえの?

真柴と同じクラスだからそうだよな。

そう思ったら、俺もわかりやすく胸が躍りだす。

流れ込んでくる女子の波を密かに(それでもすごい速度で)追ってモモを探していると、鳥海と肩を寄せ合って談笑しながら歩いているのを発見。

どんな人ごみでも、俺がモモを見つけるのなんてわけないことなんだよ。


「あっ、モモちゃーん」


すると、モモを呼ぶひときわ大きな声が聞こえた。

すげえ聞きたくない声。

体中から嫌悪があふれ出す。

それに対して、笑顔で手を振り返すモモ。

くそっ。

俺の方が先にモモを見つけたのに。

それから、真柴はモモに近寄って話しかけた。

……何を言ってるのか気になってしょうがねえ。


「ほら、男子はあっちでしょ」


けれど、女子担当の先生に怒られて、モモと引き離される真柴。

ざまあ。


そんな真柴は、こっちに戻ってくるとき、わざわざ俺の方を見てニヤリと笑った。

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