ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

俺の返事も聞かずにニヤリと笑った真柴は、勝手にモモに呼びかけた。

体育館を出ようとしていたモモは声に振り向き、首をかしげながら、手招きする真柴に導かれてUターンしてくる。

来なくていいっつうのに。


「ど、どうしたの?」


俺と真柴っていう組み合わせに、驚きを隠せてないモモ。


「これからさ、伊緒くんとバスケで勝負するから見ててよ」


……また名前で呼びやがって。


「勝負?……って、なんの?」


モモは真柴に聞き返しながら、不安そうに俺の顔をうかがう。


「俺と伊緒くんがスリーポイントの5本勝負。勝った方が、モモちゃんにひとつお願いを聞いてもらえるの」

「え、ええっ?」


困惑が隠せない様子のモモ。

そりゃそうだ。そもそもモモが承諾してないのに、勝手に勝負にかけられてもな。

つうか、こいつの頭ん中も花畑なのか?

< 190 / 298 >

この作品をシェア

pagetop