ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
俺の返事も聞かずにニヤリと笑った真柴は、勝手にモモに呼びかけた。
体育館を出ようとしていたモモは声に振り向き、首をかしげながら、手招きする真柴に導かれてUターンしてくる。
来なくていいっつうのに。
「ど、どうしたの?」
俺と真柴っていう組み合わせに、驚きを隠せてないモモ。
「これからさ、伊緒くんとバスケで勝負するから見ててよ」
……また名前で呼びやがって。
「勝負?……って、なんの?」
モモは真柴に聞き返しながら、不安そうに俺の顔をうかがう。
「俺と伊緒くんがスリーポイントの5本勝負。勝った方が、モモちゃんにひとつお願いを聞いてもらえるの」
「え、ええっ?」
困惑が隠せない様子のモモ。
そりゃそうだ。そもそもモモが承諾してないのに、勝手に勝負にかけられてもな。
つうか、こいつの頭ん中も花畑なのか?