ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
寝起きの回りきらない頭じゃ、全然考えられない。
わかるのは、目の前の伊緒くんは朝から超イケメンってことだけ。
左右対称のアーモンドアイに、すーっと筋の通った高い鼻、薄くて小さい唇はつやっぽくってセクシー。
ひときわ目を引くオーラを出していて、行きかう人は二度見三度見は当たり前。
光に照らされて輝くサラサラの茶色の髪には、寝ぐせがついたところなんて見たことない。
そんじょそこらの芸能人よりぜーったいモテると思う。
ってことは今どーでもよくて。
「どうして伊緒くんが……!」
生まれた時からお隣に住んでいる伊緒くんだけど、朝イチで私の部屋にいる理由がわからないよ。
──と、だんだん思い出していく。
そうだ、私いま、伊緒くんと一緒に住んでるんだった……!
ハッと目を見開いた私に、伊緒くんは口角を上げる。