ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

それから、お風呂に入って体を温めた。

今日は近くのファミレスからお弁当をデリバリーして、少し遅い夕飯をとった。

そのあと、リビングでまったりしていたんだけど。

ずっと私の頭のなかでは、あのことが渦巻いていた。

だから、聞かずにいられなくて。


「伊緒くん、ほんとに行っちゃうの? その、スタン、スタン……」

「言えてねーし」


同じソファに座ってケラケラ笑う伊緒くんになんて、私の気持ちがわかるわけないんだ。

ぐすんっ。


「スタフォードね」


膨れた私に、言い直した伊緒くんは、


「行くわけねーじゃん」


あっさり言い放った。


「へ?」

「つか、行けるわけねえ」

「えと、」

「ちなみに東大も」


そうなの?

なーんだあー。
  
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