ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「てか、ちゃんとべつに志望校くらいあるし。もちろん日本で」

「あ~、よかった~」


心のそこから安堵していると、


「ふーん……」


伊緒くんがにニヤリと意味ありげな顔を見せる。


「モモは、俺がアメリカに行っちゃうと思ってさみしかったんだ」

「えっ、そ、それはっ……」


視線を外して目を泳がせて姿勢を正す。

すると、伊緒くんが距離を詰めてきて、ピタッと横につく彼の体。


「正直に言いないよ」

「……っ」


耳元でささやくように言われ、あっという間に全身が燃えるように熱くなってくる。

だから~。

耳元でささやかないでぇ~!


「そ、そりゃぁ……(ごにょごにょ)」

「ん? 聞こえない。もっとはっきり喋ってくれるかなー」

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