ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「出たよ──って電話中か」
お風呂から上がった伊緒くんは、私が電話しているのを見ると、声をひそめてそのままキッチンに向かいお水を飲み始めた。
「伊緒くんお風呂から出たけど、変わりましょうか?」
「いーのいーの。あの子とは特別話すこともないし。ただ様子を聞きたかっただけだし、桃ちゃんと話してたほうが楽しいもの」
「そんなこと言ってー」
と言いながらも、私も光莉さんとの久々のおしゃべりが楽しくて、ほんとは変わりたくなかったりして。
日本にいるときも、お母さんたちはお互いの家をしょっちゅう行き来してたから、光莉さんが家に来るときは私も混ざって女同士でよくしゃべってたんだ。
伊緒くんは、私に気を利かせてか、リビングを出ていく。