ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

おでこから撫でつけるように手を上から下へ下ろしていく。

伊緒くんの親指が……私の唇をなぞる……。


「ごめ……っ……」


口を開いたら、伊緒くんの指が半分入っちゃって。

そのまま閉じれなくなる。


い、伊緒くん……?

至近距離で見つめ合ったままどうしていいかわからなくて、固まってしまう。


「それとも、お仕置きされたくてわざと?」

「へっ?」

「ふっ……」


すると、面白そうに笑った伊緒くんは、私の口から指を抜いて。

ほっとしたのもつかの間。

その手をまた下へ滑らせていくから慌てた。


伊緒くん、一体なにをするの!?


変な体勢で倒されちゃったから、ちょっとシャツが捲れてて。

こっそり下に引っ張ろうとしたら、その手を取られて。
< 217 / 298 >

この作品をシェア

pagetop