ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

なんて、浸っていたら、


「伊緒くーーーーん」


バァァーーーンと勢いよく部屋のドアが開いた。


「うわあああっ!」


いきなり入って来たモモに、必要以上に驚いてしまったのは、この漫画を持っていたから。

そしてその漫画は驚いたはずみで宙を舞い。


「あっ……!」

「あれ?」


床に転がって、俺が拾うより早く、モモの手に渡ってしまった。

……勘弁してくれよ。


「わー、懐かしい! これ、小学生の時に流行ったよね!」


目を輝かせて、中をパラパラめくる。

俺が少女漫画を読んでるとか、突っ込まれたらなんて弁解すればいいんだ。

焦る俺にのんきなモモの声。
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