ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「伊緒くんも読んでたんだー」


漫画に目を落としながら。

……ん?

俺が少女漫画を持ってること、キモイって思わないのか?


「ん? どうしたの?」


何も言わない俺を不自然に思ったのか、漫画から顔を上げて尋ねてくる。


「いや……少女漫画だろ」


自分から自爆しに行ってるが、その方が楽だと思ったんだ。

すると、驚いたような顔でこんなことを言ってきた。


「だって、少年漫画だって女の子も読むでしょ? 少女漫画を男の子が読んだって全然おかしくないよ」


……そういうモモの考え、キライじゃない。むしろ、好きだ。


「その……シュン、だっけ? すげえ人気あったよな……」


チラチラ横目で見ながら、モモの反応をうかがう。


「あったねー!」
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