ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
なにかあったかなー、と考えて。
「あーわかった! 例の抱き枕?」
あの、とんでもないサイズのやつ。
「でも、そんなの売ってないよー」
「知ってるわ。てか、買うのやめたつったよな」
「あ、そうだった」
私で試したら抱き心地悪かったんだったよね。
あのときのことを思い出して、ポッと顔が熱くなれば。
「なに真っ赤になってんの?」
ってからかわれるし。
「な、なってないもんっ」
「なってるなってる。なんなら、またやってあげようか?」
不意に腕を体に巻き付けてくる伊緒くん。
「うわっ、やめてっ!」
こんな街中で。
みんな見てるよ~。
見てると言えば。
学校でもあれだけ視線を浴びる伊緒くんのこと。
繁華街へ来れば、どんな年代の人も女性はみんな伊緒くんのこと二度見するんだよね。
それほどのイケメンってことだ。