ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
LOVE♡5
伊緒くん離れします
昨日は、家に帰ってから、伊緒くんはいつもの明るさを取り戻した。
私もそれになんとなく合わせて、なにもなかったみたいに振舞った。
それでも、一度感じたおかしな空気はなかったことには出来ない。
分かってたくせに見ないようにしてきた伊緒くんの本心を、予告もなくさらけ出されちゃんたんだから。
バカなふりをして、私がなにもわからない素振りが出来ればよかったのに。
いつもおバカなのに、どうしてこう肝心な時に本領が発揮できなかったんだろう。
……それはやっぱりおバカだからだ。
「はぁぁぁぁ……」
「どうしたのーぼんやりして」
自分の席でぼーっとしていたら、真柴くんがにょきっと横から顔を出してきた。
「うーん……」
今は相手にする余裕がなくて、生返事を返してしまう。