ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「……ご、ごめんね真柴くん……」
「いーけどさー。よくないのはその呼び方! 真柴くんだなんて他人行儀な! いい加減、善って呼んでよ~。あ、もしかして伊緒くんになんか言われてる?」
……ここで突然、伊緒くんの名前が出て戸惑った。
「えっ? えっとぉ……」
「あはは~その通りなんだ~」
動揺を隠せなくて笑われる。
「てか、伊緒くんてなんなの? 桃ちゃんのことすっごい監視して。だって、つき合ってないんでしょ? あ、もしかして保護者気取り?」
真柴くんのマシンガントークをぼんやり聞いて。
……そうだよね。
伊緒くんにとって私は決して「女の子」じゃなくて。
何もできない私の面倒を見てくれる保護者みたいなもの。
それもきっと……負い目があるからだ。