ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
***

放課後、私はこっそり宇野くんを呼び出した。


「どうしたの? 伊緒にバレたら殺されそうなんだけど」


伊緒くんを警戒している彼は、小声になってあたりをチラチラ見回している。

殺される、なんて大げさな。


「ごめんね、聞きたいことがあって」


でも私も、目を泳がせてかなり挙動不審になってるはず。

今から私は、すごい聞きにくいことを聞こうとしてるから。


「えっと……。宇野くんの恋愛対象って……女の子?」


こういうの、プライぺートに深く関わることだから迷ったけれど。


「は、はあ?」


思った通り、不思議な質問だったみたい。

宇野くん、目をまん丸にしちゃった。

さっきまで小声だったのに、そんなことも忘れたみたいに素っ頓狂な声を上げた。
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