ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

そのあとを追いかけてくる伊緒くん。


「タオル、こっちに出しておいたからさ」


そう言って、何個か束にして持って行ってくれる。


「……ありがとう」


何から何まで、伊緒くんがいなきゃダメダメの私。

はぁ……と、とぼとぼと後を追いかけながら、その背中に向かって声をかけた。


「ねえ伊緒くん知ってる? この交流キャンプでカップルになると別れないんだって!」


柚ちゃんが所属している吹奏楽部の先輩も実際そうなんだとか。

キャンプっていう非日常の中で告白なんてされると、気分も高まって成功率もアップするみたい……っていう、柚ちゃんの推測。

もちろん、このジンクスは校内でも有名だから、気になっている人がいる子たちは、もう告白する計画を立てたりしているみたい。
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