ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「なんだそれ」
リビングに戻りながら、興味なさそうな声。
「2年の先輩にも、3年の先輩にもそんなカップルがいるみたいなの。卒業した先輩にも!」
「……出た。またそのわけわかんないジンクスみたいの」
あっ……あの映画と一緒じゃん。
ようやく普通に戻れたのに蒸し返しちゃったかも……。
やっぱり私ってバカだなぁと、おでこに手を当てる。
「だ、だから伊緒くんもっ……。もし、好きな人が同じ学校の子なら……告白してみたら……? とか思いまして……」
伊緒くんには幸せになってもらいたい。
今までずっと私のそばに居てくれたんだもん。
……とは、言えないけど。
どうですか? との思いを込めて見上げると、伊緒くんは黙ったまま私の顔をジッと見ていた。