ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「大丈夫? さっきからフラフラしてるけど」
ずっと私の真後ろに居たのか、いつになく心配顔の真柴くん。
「あっ、うん。大丈夫だよ……」
もしかしたら、貧血だったのかも。
すぐに視界の明るさは戻ったから、なんとか笑顔を作ってそう言ったけど、
「モモ、大丈夫?」
「鈴里さん、リュック持とうか?」
みんなも足を止めて、心配そうに声をかけてくれた。
どうしよう。
私のせいでみんなに迷惑かけちゃってるよ……。
すると、真柴くんがこんな提案をした。
「みんな先に行ってていいよ。俺たちはあとからゆっくり行くから」
「えっ、そんないいよ。大丈夫だから!」
「その方がお互いいいだろ? モモちゃんだって、みんなに気を使いながら登るともっとつらいと思うし」
「……」
だとしても、真柴くんには迷惑をかけることには変わりないのに。