ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「てことで、ほらみんな行って!」


真柴くんが促すと。

「桃、ゆっくりでいいからね」「じゃあ上で待ってるね」と、口々にそう言いながら、みんなは先を登って行った。


「真柴くん、ごめん」

「いーのいーのって」


……優しいなあ。

それから、真柴くんはアリのように遅い私のペースに、嫌な顔ひとつ見せずにつき合ってくれて。


「桃ちゃん、ちょっと休憩しよう」

「うん」


頃合いを見て、休憩も挟んでくれる。

心臓がバクバクしてきたころだったから、休憩はすごくありがたい。

みんながいたらそんなこと出来なかったし、改めて感謝。

ちょうど切り株があって、そこに腰かけることにした。


「ふはー、生き返る~」

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