ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

……まずい。

残り3人になって、なんとなく嫌な予感がしてきた。

そして、何度目かのジョーカーが巡って来た直後。


「上がり―!」


宮地くんも上がり、真柴くんとの一騎打ちになってしまった。

私のカードは二枚。ハートの3とジョーカー。

真柴くんの持ちカードは1枚。

3を取られたら私は負けてしまう。

真柴くんがどっちを取ろうとしても、ポーカーフェイスを貫かないとね。

そう思っていたのに3のカードに手をかけられ時、反射的にぎゅっとカードを強く握ってしまった。

あっ、しまった!

真柴くんはにっこり笑って、そのままそのカードを引き抜いて──


「やった、あがり!」


手元にそろった二枚の3のカードを捨てた。


「うそっ……!」
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