ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「やっぱりモモちゃんひとりで行かせるとか心配だからさー」


そう言って、私のとなりに並ぶ。


「ありがとう」


真柴くんがいてくれたら心強いよ。


「てか、俺が3のカードをつかんだ時、モモちゃん強く握ったじゃん? その時点でそっちがジョーカーじゃないってわかったのに、それを取った俺もずるかったかなって」

「そんなことないよ! それに、わざと揺さぶるために握ったかもしれないし」


対戦中、実際そんな駆け引きは何度もあった。

みんな上手に駆け引きしてて、人間不信になりそうなくらい……。


「モモちゃんはそんな器用なことできませんー」

「ううっ……」


自信たっぷりに言われて、なにも言えなくなっちゃう。

……確かに、あのときの私にそんな余裕なかったもんね。取られたくなくて握っちゃっただけだし。


「あっ! すげえ星がキレイ。ちょっと見ていこうよ」


真柴くんが指さす空には、たくさんの星がまたたいていた。

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