ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
……宇野くんこそが、私のライバルだと思っているから。
伊緒くんと宇野くんはすごく仲がいいんだけど、じつは伊緒くんの好きな人は宇野くんじゃないかって思ってるんだ。
宇野くんと話しているときは、いつも笑顔だし、楽しそうだし。私に向けるみたいな毒舌なんて聞いたことないもん。
女の子に興味がないなら男の子……そしたら、相手は宇野くんしかいないと思ってるの。
「あーーーー!」
そして、私はあることに気づいちゃったんだ。
「どうしたの、鈴里さん」
いつものように警戒心丸出しの私に、苦笑いする彼。
私がいつもこんな態度なことに慣れっこの彼は、自然に尋ねてきた。
「も、もしかして宇野くんはっ……特進クラス……?」
だって、ネクタイの線が青だったんだもん。
慌ててクラス分けのプリントを見ると、伊緒くんと同じ1組。