ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
グッとうしろに引っ張られる感じがして、足が止まった。
「……っ!」
え?え?
「ちょーーーーっとストップストップ!!」
「いたたたっ……」
うしろ髪を引かれるっていうのを、地で体験する。
そのまま顔を後ろに向ければ、私の髪の毛がびよーんと引っ張られていた。
「わっ!」
その先は、男の子のブレザーのボタン。
どうやら私の髪の毛が絡まっちゃったみたい。
「こ、ごめんなさい」
入学式初日から、なにやってんの私……。
顔を傾けながら謝ると、その男の子は私が引っ張られないように彼が距離を詰めてくれる。
「痛いでしょ? 大丈夫?」
そのせいで、男の子の胸元に頬がぴったりついてしまう。
「ちょっと待ってて、今とるから」