ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

入口のところでこんなことしているから、行きかうひとにジロジロ見られてちょっぴり気まずい。

美雪ちゃんは、近くで心配そうに見守ってくれてる。

そのままおとなしく待っていると、すっと髪の引っ掛かりがなくなった。


「ほら、取れた! 傷んでなくてよかった」

「ありがとうございます。ほんとだ……」


どれだけぐちゃぐちゃになってるんだろうって思ったのに、髪の毛はほぼ無傷。

手櫛で整えると、他の髪となじんでもうわかんない。

器用な人だなあ。


「すごく髪の毛キレイだね。俺、髪の毛がキレイな子って好き」


えっ……。
私、思わず硬直。

好き、とかそんなにさらっと口にする? 
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