ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
「さすが伊緒くんだね。しかもあんなに長い話をかまずに言えるなんて私にはできないよ!」
「だろうねー」
めげない……っ。
「れ、練習もしないであんなにスラスラ喋れるなんてすごいなー」
「いや、家でいっぱい練習してたよ。部屋で何度も」
「そうなの? ……ああっ! あれか!」
思い出した。
ここ数日、隣り合っている伊緒くんの部屋からぶつぶつ声が聞こえてきていたんだ。だけど、
「お経でも読んでるのかと思ってた……」
「お経? さすがにまだそういう趣味はないよ」
「だ、だよね、へへっ」