ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

モモにキスマーク


【伊緒side】


鈴里桃。

俺の幼なじみ───そして、好きな人。


つるつるでやわらかくて癖のないストレートの髪。

黒目がちの大きい瞳に、ぷっくりしたくちびる。

高校生にしては童顔気味なその顔は、自分ではまったく気に入ってないみたいだが、超がつくほど可愛い。


もちろん、好きなのは顔だけじゃない。

見ていてハラハラする危なっかしいとこも、負けずぎらいですぐムキになるとこも。

耳が弱くて、少し触れるだけで甘ったるい可愛い声を出すとこも。


「いおっ……くん、今……なに、したの……っ?」


今だって。

閉じ込めた俺の腕のなかで、真っ赤な顔をしているモモ。

お仕置きを口実に、モモの首筋につけたキスマーク。

小さな赤みを帯びたそれは、しばらく消えないだろう。
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