ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

アニメが放送された翌日は、教室内では「毒舌執事」の話題で持ち切り。


『桃ちゃんもシュンくん好き?』

『うん、大好き!』


……へー。モモもあんな男が好きなのかよ。

二次元の男を好きだなんて言ってることがショックだった。

それなりに、バレンタインデーはチョコの渡し待ちをする女子が沢山いたし、キャーキャー騒がれてた。

なのに、いくら待ってもモモが俺に好きって言ってきてくれることはなくて。


毒舌男に負けた……。

これが、人生初の挫折だったかもしれない。


俺は、モモの部屋に遊びに行くふりをしながら、本棚に並べられた「毒舌執事」を片っ端から読み漁った。

そして、俺は決めた。

モモの好きな男に近づいてやろうって。そしたら、モモも俺になびいてくれるんじゃないかって。

主人公の口癖は「だから?」「それで?」

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