ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

……これ、あんまり好きじゃないんだよな。

でも、モモが悲しむからいらないとは言えない。


「どお? おいしい?」


うまいって言ったら罪悪感を覚えそうで、軽くうなずくだけの俺。

アメを舌の上で転がしていると、


「そうだ! ねえ伊緒くん、チェリーボーイって意味知ってる?」

「……んがっ……んっ……!」


まだ半分以上残っていた塊が、ひゅっとのどの奥に入って行った。

あまりに動揺しすぎて。


「伊緒くんっ、大丈夫!?」


モモが俺の方に回り込み、背中をトントンたたいてくる。

どこでそんな卑猥な言葉覚えてきたんだよ!!


「ゴホッゴホッ!」


大丈夫じゃないのはお前だよ!


「そんな言葉、どこで覚えてきたんだよっ」

「えっと、昨日クラスの男の子が言ってて……」


はあ?

普通クラス、ろくでもねえ。

俺の目が届かないって、想像以上にキケンだ。
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