ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
はっ!
今日、4月6日の所にピンクのマジックで大きな丸がついている。
あれは……。
「入学式っ!?」
目を見開いて問いかければ、大きくうなずく伊緒くん。
「大正解」
伊緒くんは、すでに制服を着ていた。
下ろしたてのパリッとした白いシャツに、中学の時とは違う、ちょっと高貴な青いネクタイ。
あとはブレザーを羽織るだけの状態。
「それを早く言ってよ~!」
そうとなれば、ガバッと布団を剥いでベッドから降りた。
なにからどうしていいのか、その辺をあたふた動き回る。
「モモの頭は365日お花畑だね」
「むー!」
またバカにして~。
「メシ出来てるから着替えたら早く降りて来いよ」
「うんっ!」
私の頭の上にポンポンと手を乗せると、伊緒くんは私の部屋を出て行った。