ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

真柴くんも私になんて構ってないで、男の子の所へ行けばいいのに。

中学3年のクラスは、男女が仲いいってわけでもなかったから、私はあんまり男子と話す機会はなかった。

あっ、伊緒くんは特別ね。

だから、あんまり男子に絡まれるのは得意じゃないんだよね……。


「あ~……」


そのうち、前の前の子が後ろを振り返って、前の子とおしゃべりを始めてしまった。


出遅れちゃった……。


「あっ、髪巻いたんだ。昨日はストレートだったもんな。そんで俺のここに絡まったんだよねー」


私の葛藤には気づかず、ヘラっと笑って指さすブレザーのボタンは今日も全開。

今、髪の毛のことを言われても、傷を蒸し返されるだけなんだけどな。

巻き髪、伊緒くんにダメ出しされたから。
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