ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「すごい可愛いじゃん」

「……私には似合わないって」


伊緒くんの言葉を思い出して、ちょっぴり悲しくなった。

伊緒くんに見てほしくて、伊緒くんに可愛いって言われたくて、頑張ったのに。


「誰が言ったの、そんなこと」

「……っ!」


ゆらり。

髪の毛が揺れたことに気づいて顔を上げれば、真柴くんが私のすくっていた。

びっくりして、私はかたまる。


「こんなに可愛いのに」

「ちょっ……」


男の子に髪を触られるなんてありえなくて、思わず体を後ろへ下げた。

そんな私の行動にふふっと軽く笑う。

昨日も思ったけど、真柴くんてすっごく女の子に慣れてるよね。

これは彼女のひとりやふたり、いや3人くらいいるんじゃないかって思える。


「もしかして、彼氏?」

「……っ!」
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