ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

「図星だー」


そう言って、子どもみたいにクシャっと顔を崩して嬉しそうな顔をする。


「か、彼氏じゃないよっ」


真柴くんから逃れるように、体を反対ななめに向ける。


「じゃあ、好きな人?」

「……」

なんて言えばいいかわかんなくて黙っちゃったけど、そうですって言ってるような ものだよね。

うー。
私って、嘘をつくのがほんと下手。


「可愛いのに、素直に可愛いって言ってくれない人のどこがいいの?」

「伊緒くんはそんなんじゃっ……」


はっ。

慌てて口をふさいだ。

思わず反論しちゃったけど。

伊緒くんとか言っちゃって……はずかしいっ。


「ふーん。そんなふうに思われてる"伊緒くん"がうらやましいなあ」

「いやっ、だからっ」

「そんな男やめて、俺にしない?」

「えっ」

「俺だったら、桃ちゃんにそんな顔させないのになあ」
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