ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。
顔を洗ってパジャマを脱いで、新品の制服に袖を通す。
キャメル色のブレザーに、タータンチェックのスカート。
胸元のリボンは、銀色の地に赤いラインが入っていてとっても可愛いの。
藤代高校を受験したのは、30パーセントが制服が可愛いからで、残りの70パーセントは伊緒くんも受験するから。
……いや、本当は100%伊緒くんで、制服はおまけなんだけど。
鏡に制服姿の自分をうつして、しばし眺める。
肩下まで伸びた黒のストレート髪に、これと言った特徴もない、日本人の平均的な顔。むしろ童顔。
せめて、身長が高くてすらりとしていればよかったのに、153センチで私の成長は止まってしまった。
だから、伊緒くんと並ぶと私の平凡さが際立っちゃう。
そんな私が伊緒くんと幼なじみってだけでもバチあたりなのに、さらに一緒に暮らしてるなんて絶対人に言えない。