ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

伊緒くんとふたり暮らしを始めたのは、3日前から。


お隣の葉山家と我が家は、親同士がとても仲が良く、私と伊緒くんももれなく仲良くなった。

幼稚園、小学校、中学校とずーっと一緒で、藤代高校にも一緒に合格が決まった1月、私のお父さんの転勤が決まった。

引っ越さなきゃいけないし、高校も新たに受験しなおしと言われて、目の前が真っ暗になった。


伊緒くんと離れ離れになっちゃうなんてたえられない……伊緒くんが近くにいない生活なんて想像できなくて。

それでも、まだ15歳の私には、親についていかない選択肢はなくて。

泣いて泣いて、この状況を受け入れ始めた時だった。


──葉山家にも、転勤の話が出たのは。
< 9 / 298 >

この作品をシェア

pagetop