Re:ha:Next step study ~鬼指導教官にもっとやられっぱなし?!



『お尻のホクロ・・・?! それが、最後・・・?!』


完全に閉まった電車のドア越しで見えた彼の顔は
あたしが今まで見た中で一番とびきりな笑顔で。


『お、お尻・・おしり・・・ピカピカ磨かなきゃ!!!! 絵里奈に、悩殺かわいいショーツ教えてもらわなきゃ!!! あと・・・ブラジャーも!!!』

100%泣いてバイバイしそうだったあたしに
150%の元気をくれるそんな笑顔だった。


彼がくれたのはそんな笑顔だけでなく、

『・・・Mao, I LOVE YOU forever.・・・・・あっ、M・I ・L・Y・・・forever・・・・謎が解けた!!!!』


あたしの右手と左手にそれぞれある彼お手製のスプリントと指輪という、今のあたしには必要不可欠となったアイテム。

1年前からあたしが大切に持っていたスプリントには“M, ILY forever.”
昨日、彼から左手薬指に嵌められた指輪には “Mao, I LOVE YOU, forever”
の文字が刻まれている

『M・I・L・YはMaoのMで、あとはI love youの頭文字だったんだ・・・しかも、foreverって永遠って意味・・・これを1年前に岡崎先生からもらっていたんだ・・・』

それは彼が簡単には口に出しては言わないような言葉。



『確かにあたしは1年前にフラれていないみたい・・・もう早く教えてよ~。1年前にこの謎が解けていたら、あたしは・・・』


想いが通じ合った今でも、あたしは彼にこんなにもめろめろにされている
もしそれが1年前だったら、4年生の実習も国家試験勉強も手につかなかったかもしれない

もしそこまで彼が考えて、
2年もあたしを待ち続けてくれていたのにも関わらず、1年前にあたしに告白させてくれなかったとしたら・・・・

『悔しいけど、嬉しい。ヒントをキスでくれちゃうとかも・・・あたしは完全に彼の手のひらの上で転がされてる・・・』

そう思わずにはいられないだろう・・・


『Iori, I love you forever, me too.~! ホント、me,tooだよぉ~。』

あたしはすでにもう視界にはなかった電車が進んで行ったほうへ向き、大きな声でそう叫んだ。


その後、ホームに居合わせた人と改札口の駅員さんからの、今まで生きてきた中でありえないぐらいの視線を浴びたせいで、照れ笑いしながら岡崎先生がいなくなったホームを後にした。


< 35 / 103 >

この作品をシェア

pagetop