Re:ha:Next step study ~鬼指導教官にもっとやられっぱなし?!



《やっぱりプロポーズ?!》

《岡崎先生、彼女のこと、好きすぎでしょ?評価法に名前を付けてしまうなんて・・・》

《神林先生ってどんな人だろう?すごく美人なのかな?岡崎先生とつり合いのとれる有能な作業療法士なんだろうね、大人な女性の》

《今、彼女、ここにいるのかな?いるよね?こんなに大胆なプロポーズするんだから》


「いますよ!ここに!!! 岡崎先生の恋人!」

「戸塚さん、ダメだよ、反応しちゃ!あ~伊織、本当にやってくれたな。」

「あはっ。だって嬉しくて・・・・自分のことのように。松浦先生だって嬉しそうじゃないですか!」

「そうだね。これでやっと成就するみたいだからな・・・伊織の想いが。」



ああ、もうダメ
後から夢でしたとか
そういうオチはないよね?


だっていつか
岡崎先生と一緒に何気ない日々を過ごせたら・・なんて
ずっと想っていた

でも、あたしが一人前の作業療法士になるまでは、そんな贅沢は望んじゃいけないし
岡崎先生もそう想っているって
自分に言い聞かせていた

しかもそんな中で若菜さんの件が起こってしまって
岡崎先生とあたしの関係はもうダメになっているとまで思った

だからまだ現実じゃないかもしれないって疑っているあたしがいる


「賑やかになってしまいましたが、皆さん、セッション終了のお時間がやってきてしまいました。岡崎先生にお聞きしたいことはたくさんあるかと思われますので、今夜の懇親会で是非、いろいろお聞きしてみてはいか」

「申し訳ありません。」

でも、あたし以外の人達はどうやら現実にいるようで
座長の先生の終了アナウンスを遮る岡崎先生の声が聞こえる。


「私は今日の懇親会は参加できないんです。申し訳ありません・・・たった今、人生の一大勝負の真っ最中なんで・・・。」


たった今、人生の一大勝負の真っ最中って
岡崎先生、まだ何かあるの?
しかも、またあたし、彼の鋭い瞳にロックオンされているみたい

もうホントあたしの心臓、もたないよ
これが本当に現実ならば・・・


「岡崎先生、そうでしたか~。皆さん、岡崎先生の人生の一大勝負を拍手で是非応援してあげて下さい!!!!」


パチ・・・パチ・・・パチ・・・
パチ・・パチ・・パチ・・パチ・・・
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!
バチバチバチバチバチバチババババババババ!!!!!

ひゅ~っ!!!
よ~っ!!!


《岡崎先生~頑張れ~!!!》

《次の学会発表で、その後の報告、楽しみにしてます!!!》

《神林先生も是非、ご一緒に!!!!》


「ありがとうございます。それではフラれた際には慰めて下さい。これで失礼致します。本日はありがとうございました。」


《神林先生にフラれたらあたしが待っていますから!!!!》

《負けても男だぞ、岡崎先生は!!!》


フロアからの熱い声援を受けながら演者台から降壇した岡崎先生は、演者用通路ではなく、聴取席の真ん中にある通路を駆け抜けて

「真緒!!!」

聴取席の一番後ろで立見していたあたしのところへ駆け寄り、あたしの手を掴んでから強く引っ張って会場を後にした。


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