買われた娘は主人のもの
 その後、エイミは小さな靴を与えられ、コリーンとともに屋敷の掃除を始めた。

 この屋敷はどうやら、主人とこの年若いメイド、大男、執事長の他、歳の離れたメイドや遣いの者が数人いるだけのようだった。

 エイミが従順なせいか、日中のエイミの見張りはこのコリーンだけで済ませているらしい。
 しかし何かあればすぐにでも、先ほどの大男が来るのだろう。

 エイミはなんとか言われた通り雑用や掃除をこなし、コリーンについていく。

 コリーンは誰もいない部屋では冗談めかしながら楽しげにエイミに接し、おかげでエイミは少しだけ気を紛らわせて時が過ぎていった。


 掃除が終わり部屋に戻ると、コリーンはパンとスープを持ってきてエイミに手渡す。

「はい、これがあなたの夕食。この食事をしっかり食べておかないと、後が辛いわよ?」

 エイミは彼女に頭下げ、大人しくそれを食べたのだった。


 そして夕刻、あの大男バラドが二人のもとにやってきた。

「コリーン、時間だ」

「はいバラド様」

 コリーンは少々表情を引き締め、エイミを引き連れてバスルームへ向かった。
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