買われた娘は主人のもの
執事長の過ち
コリーンが来る少し前、エイミは泣いていたのを隠すように何とか泣き止み、彼女が来ると礼儀正しく挨拶をした。
「おはようございます、コリーン様」
「おはようエイミ。今日もテイル様がいらっしゃるわよ」
コリーンはエイミが泣いていたことには気付かない様子で笑顔で返す。
誰に言えるはずもない、自分の中の変化。
エイミは胸に秘めておくしかなかった。
執事長テイルがやってくると、コリーンと見張りをしていたバラドは部屋を出ていく。
それはいつものことだった。
しかしテイルはエイミを膝に座らせて食事をさせると、エイミのその横顔をじっと見つめていた。
(…なんだろう…私、何かしちゃったのかな…)
視線を感じながらもエイミがなんとか食事を終え、水を飲み干したあとのことだった。
彼は突然、膝にいるエイミの顎を、白手袋をした手で引き自らに寄せる。
驚いているエイミに執事長は、何かに操られるように潤んだ目をそっと閉じ、エイミの唇に自らの唇を重ねた。
「…!!」
エイミは一瞬、何が起きたのか理解が出来なかった。
彼自身も、自分でも何をしたのか分からないという様子で驚いたように目を見開き、エイミを呆然と見つめた。
「…テイル…様…?」
エイミがようやく呟くような小さな掠れ声で問いかけると、彼はすぐにエイミから身体を離し、スッと立ち上がり部屋を出ていく。
エイミは何も言えないままその姿を見送った。
「おはようございます、コリーン様」
「おはようエイミ。今日もテイル様がいらっしゃるわよ」
コリーンはエイミが泣いていたことには気付かない様子で笑顔で返す。
誰に言えるはずもない、自分の中の変化。
エイミは胸に秘めておくしかなかった。
執事長テイルがやってくると、コリーンと見張りをしていたバラドは部屋を出ていく。
それはいつものことだった。
しかしテイルはエイミを膝に座らせて食事をさせると、エイミのその横顔をじっと見つめていた。
(…なんだろう…私、何かしちゃったのかな…)
視線を感じながらもエイミがなんとか食事を終え、水を飲み干したあとのことだった。
彼は突然、膝にいるエイミの顎を、白手袋をした手で引き自らに寄せる。
驚いているエイミに執事長は、何かに操られるように潤んだ目をそっと閉じ、エイミの唇に自らの唇を重ねた。
「…!!」
エイミは一瞬、何が起きたのか理解が出来なかった。
彼自身も、自分でも何をしたのか分からないという様子で驚いたように目を見開き、エイミを呆然と見つめた。
「…テイル…様…?」
エイミがようやく呟くような小さな掠れ声で問いかけると、彼はすぐにエイミから身体を離し、スッと立ち上がり部屋を出ていく。
エイミは何も言えないままその姿を見送った。